前回の記事の続きです。

前回の記事
タイで「崩れないお店を作る」には①マネジメントチーム作る

前回は「店長を中心とした複数人のマネジメントチームを作り、その方々に対して実践的なマネジメントスキルと会社への帰属意識をトレーニングすること」についてお伝えしました。


今回は「スタンダード(基準)を決める」です。

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弊社ではSV代行、覆面調査として多くの店舗に臨店してサービスや商品クオリティのチェックを行っています。そのときに、スタッフによってサービスのスタンダードがブレていることが多いです。

例えば
・お客様が来店した時の誘導
・ドリンクのお代わりをお勧めするタイミング
・お会計時の対応

など。


ブレる最大の要因は「スタンダードが決まっていない」こと。
そりゃブレるわ、という話ですがこのケースがほとんど。


日本でもマニュアルとかスタンダードのない店舗はいくらでもありますが、そこは日本人同士。
とくに文書や映像になっていなくても十数秒のコミュニケーションや、休憩時間の5分、10分のMTGでそれをすり合わせて動くこともできます。


でも、外国で、外国人(しかもタイ人だけではなくいろんな国の方々)と一緒に仕事をするとなると、そう簡単にはいきません。

そのくらい、言わなくても分かるでしょ!

とか

長くいるんだから察してよ!

は一切通用しません。


スタンダード(基準書、マニュアルなど)を決めて明文化し、できればタイ語が分からない方のことも考えて動画でマニュアルを作成しておくことはすごく重要です。


日本からタイに進出してくる企業の多くは、日本でのスタンダートを持っています。


ここで失敗するパターンが、日本で使用しているマニュアル類を翻訳して使用しようとすること。

これ、私が知っているだけで大手で3社くらい失敗してます。

なんで失敗するのか。
1つは、翻訳を翻訳会社や知り合いの翻訳者に頼んでしまうこと。
日本語⇔タイ語というのはどっちもその国でしか使われない超マイナー言語です。そして、日本語は非常に難しい。サービス業の現場マニュアルをタイ語に翻訳するには、言語を理解しているのは当然として、その業界やサービス、店舗の中のことを理解している必要があります。そういう知識なく翻訳を行うと、タイ人にとっては理解不能な、変なタイ語のマニュアルができあがる、というケースです。

2つめは、そもそもの業態やオペレーションが変わる場合が多いということ。
日本とは動きやスタンダードが異なるのでそもそも翻訳したところで使い物にならない、というケースです。日本で使用しているマニュアルは「日本人同士で見る、使う」ことを想定しています。だから、当たり前すぎることを割愛していたり、妙に細かいニュアンスや情緒的な表現が使われていたりします。これをタイでそのまま実施することはあまり現実的ではないと言えます。



もちろん、日本のマニュアルはベースにはなりますが、それはそれとして、

タイの業態・サービスレベル、タイのスタッフの動きに合わせた新たなスタンダードを作る

ということをお勧めしています。

タイの状況に即したスタンダードが見える化(文章化、動画化など)されていることで、タイ人の店長やマネージャークラスの方々がスタッフを指導するときの「基準」ができあがります。


言葉の壁を考えれば、タイ人マネージャーがタイ人スタッフを指導する、という形が現実的です。
では、何を教えるのか?どう教えるのか?そもそも正解は何なのか?を見える化しておくということが「スタンダード(基準)を決める」ということです。

強いマネージャー&マネジメントチームがあって、スタンダードがタイの現場に即した形で決まっている。これができているお店とできていないお店では運営レベルがまったく異なります。


スタンダードづくりを社内だけで行うのは、かなり難しいと思います。
言葉の壁に加えて、どのような表現を用いたらいいのか?どのレベルでスタンダードを決めるのか?というあたりの調整も必要になります。
弊社ではサービス業の現場経験を持つ講師・コンサルタントが多く在籍していますので、日本語・タイ語両方のコミュニケーションをしながら、現場の意見も取り入れつつ様々なレベルのスタンダード(映像マニュアル、サービスマニュアルから手順書、約束事のようなものまで)を作成いたします。

サービスがばらつく、タイ人にどうやって教えていいのか分からない、という方はまずは「スタンダードを決める」ということをお勧めします。




タイ・バンコクでの飲食店、物販店、美容室、ネイルサロン、マッサージ、整体、ホテルなどサービス業向けの研修、マニュアル制作、SV代行、覆面調査ならグローイング・アカデミーへ。
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